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2012年7月九州北部豪雨災害(熊本豪雨)

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熊本県 

2012年7月11 日から13日にかけて、本州付近に停滞した梅雨前線に向かって南から非常に湿った空気が流れ込み、九州地方を中心に西日本から東日本にかけての広い範囲で大雨となった。とくに、集中豪雨となった7月12日は、1時には熊本県鹿北地方で40mm/hの強雨が確認され、強雨域は南東方向に移動し、3時から6時にかけては阿蘇山北側の阿蘇谷で集中豪雨が発生している。11時には熊本県球磨地方まで豪雨域が南下している。6時間降水量は、外輪山に囲まれた阿蘇谷では東西30km、南北10kmの範囲で300mmを超えているが、阿蘇山南側の南郷谷では250mm以下となっている。これは、ウィンドプロファイラによる上層風の観測(熊本)で南西風が卓越しており、外輪山西側の立野口の開口部から湿った気流が絶えず北東方向の阿蘇谷に流れ込み、標高400mの谷底から1100mの外輪山に沿って上昇し、地形性豪雨が発生したことが要因と推察される。阿蘇谷の阿蘇乙姫アメダスの6時間リターンピリオドは284年で、2~6時には15mm/10分間がほぼ継続しおり、降り始めから350mmを超えた5時から土石流が発生している。阿蘇山では阿蘇乙姫よりも積算降水量、雨量強度は低く、6時間降水量のリターンピリオドは、乙姫より降水量が少ないが再現年数は大きかったことから、外輪山内部および周辺ではかなり異なる降雨状況であった。

災害画像関連ワード:
九州北部豪雨 豪雨 洪水 浸水 冠水 土石流 斜面崩壊 

災害画像ID:30001574

狩尾地区における斜面崩壊の土壌断面

本豪雨により阿蘇谷では土石流が多発し、阿蘇谷の外輪山東側斜面(旧一の宮町)では北から手野地区5人、三野5人、中坂梨1人、坂梨5人など、阿蘇市で33人の死者が相次いだ。カルデラ壁の急崖を形成している溶結凝灰岩が崩落し、崩落土砂が土石流となって谷底を流下し、災害が生じたものと推察される。また、南阿蘇村の立野地区でも土石流による災害が発生した。

撮影日時 2012年7月15日
撮影場所 熊本県阿蘇市

Aso-shi, Kumamoto

撮影者 山本 晴彦haruhiko YAMAMOTO
媒体資料 1.デジタルデータ 

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