2011年台風12 号による和歌山県那智勝浦における被害

2011年8月25 日にマリアナ諸島近海で発生した台風12 号は、日本の南海上をゆっくりと北上し、強い勢力を保ったまま9月3日10時前に高知県東部に上陸し、上陸後もゆっくり北上を続け3 日18 時頃に岡山県南部に再上陸、中国地方を北上して4 日未明に山陰沖に抜けた。台風を取り巻く雨雲や湿った空気が流入したため、紀伊半島や四国地方の東部、中国地方の東部を中心に各地で大雨となり、各地で記録的な豪雨となった。
アメダスでは、降り始めの9月1日0 時から9月4日24時までの96時間（4日間）降水量は、和歌山県色川（那智勝浦町）1148.5mmを観測している。
各地で土石流の発生により市野々地区は最大で高さ200cmを超える土石流に見舞われており、町内では死者25人、行方不明者1人（県内は死者50人・行方不明者5人）である。
台風12号によりの影響で、大阪管区気象台管内では和歌山県、奈良県などで死者計24 名が出たほか、行方不明者53 名、負傷者50 名、住宅の全壊・半壊合わせて78 棟、住宅の床上浸水1315 棟、床下浸水3786 棟、崖くずれ107 箇所などの被害が発生した。